アントワープに行く前に知っておきたい!フランダースの犬の背景

アントワープに行く前に知っておきたい!フランダースの犬の背景

皆さんは【フランダースの犬】見たことありますか?

日本ではかなり有名な物語、アニメや実写映画としても作成されていますね。

私が小学生の頃だったかなあ、、
一日に3回繰り返し見て、3回とも号泣した名作です。
(評論家でも何でもないですが。笑)

実はこの物語の舞台、ベルギーのアントワープ近郊のホーボケン村という場所。
始めてアントワープへ行ったときは、ここであの物語が、、と想像を膨らませ感傷に浸りました。

アントワープ観光の前に、名作フランダースの犬についておさらいしましょう!!

フランダースの犬 あらすじ・背景

見たことない人、見たけどうろ覚えの方のために、簡単なあらすじ、物語の背景をご紹介します。
(これから見るから見たくない!と言う方は見てからこの記事を読んでいただけると幸いです。)

物語の背景

フランダースの犬の作者はイギリス出身の作家ウィーダ。
19世紀に児童文学として書かれたものです。

原作者がイギリス人の為か、ベルギーではさほど有名ではないこの物語。
実際に友人や夫に聞いてみたものの誰も知りませんでした。笑

日本には明治41年に和訳され出版されました。
なぜ日本でここまで有名になり、舞台であるベルギーや近隣オランダなどでは知られていないのか。

色々な解説を読みましたが、原作を読んでみるとアントワープは「画家ルーベンスなしでは誰一人も見向きもしない、汚い、陰気なごみごみした市場」とまで罵倒されているのです。

しかし全文を読むと、あくまで主人公の少年ネロの視点から書かれているので仕方ない気もします。
そしてこの時代では、フランダースの犬と同じように哀れな孤児を描く文学が多く書かれていたそう。

その為ヨーロッパ人にとってこの類の話はもう飽き飽きといった感想もあったようです。

日本では、必死に生きるさま、最後まで人や自分の不幸さえも憎まず恨まずがんばるネロ、そして飼い主に忠実なパトラッシュに感動する人が多く、テレビで紹介されたりとどんどん人気になり一つの名作となっています。

が、原作では「偉くなるか、さもなくば、死ぬかなのだ」と言うネロ。
日本人が共感する悲劇の少年ではなく、必死に生き、人にすがるのであれば死を選ぶといった様子が書かれています。

日本で人気となったアニメは、より日本人が共感するようわりとキャラクターを変えて放映されたのかもしれません。

ちなみにハッピーエンドが大好きなアメリカなどでは、「最後は死なない」、「ネロの父親が名乗り出る」などで改変されていたりするそうです。

国によってのウケが全然違うことに驚きです。
掘り下げていくと歴史や文化、国民性が見えてきそうですね。

19世紀では、貧困者に対し手を差し伸べるという事は皆無。
そのころの情景が良く描かれている作品からは、ただ単に「泣ける悲しい物語」としてではなく、社会福祉がいかに重要かを感じることもできます。

そして原作者である作家ウィーダは、繊細な心の持ち主だったと知られています。
元々は空想世界やロマンティックな物語を書いていましたが、年を重ねるにつれリアルな話を書いていくようになります。
その中で生まれたのがフランダースの犬。
19世紀末、近代化が進む世の中。
彼女の作品や思想に対する人々の冷たく冷静な評価ももちろんありました。
動物愛護家であったウィーダは犬が大好きで、当時実際に犬に荷車をひかせたり、過度な虐待があったヨーロッパの現実は、彼女にとっては最悪のものだったのでしょう。

そんな彼女の背景もこの物語には含まれているのではないでしょうか。
深く考えれば考えるほど、当時の時代背景、そして人と人の間の疎外感や孤独感、社会福祉についてなど学ぶべき点が沢山あるこの物語。

単なる児童文学としてではなく、こういった視点からもう一度見直すと深い学びが得られるかもしれません。

 

アニメのあらすじ

舞台は19世紀のアントワープ近郊のホーボケン村。
15歳少年ネロ、ほとんど寝たきりの祖父イェーハン・ダース、忠実な老犬パトラッシュで暮らしています。

祖父イェーハン・ダースはナポレオン戦争にて足を負傷した背景があったりと、当時の歴史も組み入れられrています。
関連記事:歴史を知れば見方も変わる!?ベルギーの歴史やナポレオン戦争との関わり

貧しく暮らすネロは、牛乳運搬業をしながら画家になることを目指します。
ベルギーが誇る画家ルーベンスが描いた祭壇画を見たいと願っていますが、聖母大聖堂に展示されている絵画を見るためには高額な観覧料が必要なため貧しいネロには叶わぬ願いでした。

ネロには唯一の親友、アロアという裕福な家庭で育つ少女がいました。
アロアは時頼ネロの仕事を手伝ったりするのですが、アロアの父親は「貧しいものと関わるな」と遠ざけます。

そしてここから次々にネロへ悲劇が訪れます。
新しく参入してきた牛乳買取会社に仕事を奪われ、風車小屋や穀物倉庫が全焼するという火事の放火犯に仕立て上げられたり、、、

そしてついに優しかった祖父も亡くなり、クリスマスの前日に家賃を滞納していた小屋からも追い出されてしまうのです。

クリスマス前日は街の絵画コンテストの結果発表の日でもあった為、ネロは「ここで優勝すればきっとみんなも認めてくれる」と最後の望みをかけます。

しかし結果は、、落選。

ネロは傷心の中、吹雪の街をさまよいます。
村へ向かう途中でパトラッシュが財布を見つけますが、ネロは自分で使うことはせず持ち主であるアロアの家へ届けます。

ネロはパトラッシュが暮らしていけるよう、アロアの家へパトラッシュを置いていきます。
ネロはすべてを失い絶望します。
吹雪で命を削る中、最後の力を振り絞りルーベンスの絵を一目見ようと大聖堂へ向かいます。

そのころ、財布にあるお金が全財産であったアロアの父は、今までネロにしてきたひどい仕打ちを悔やみ、家へ迎え入れることを決意。
そして絵画コンテストでネロの才能に気づいた著名な画家もネロに教養をと引き取りにやってきます。

しかしそれはもう全て手遅れ、、。

パトラッシュもネロと共にと聖母大聖堂へ走り、二人はようやく一つの願いであったルーベンスの絵を前に天へ召されるのです。

 

軽ーくあらすじを書いているだけでも泣けてくる…。
アニメと原作では違う面もありますが、どちらも違った学びを得ることができる素晴らしい名作です。

キリスト教徒では、天へ行けるものが勝者。
そしてネロは「マリア様、思い残すことはもうありません。僕は幸せだよ」と最後に言います。
悲劇の物語、不幸な少年とよく書かれますが、天へ行くことのできたネロ自身にとっては、勝ち組なのかもしれません。

舞台アントワープでは聖母大聖堂をはじめ、ネロがホーボケン村からアントワープへ牛乳を運んだと言われるミルク市場(MELK MARKT)、ネロとパトラッシュの像、そしてネロが憧れたルーベンスの家も見ることができます。

ネロとパトラッシュの像に関しては、アジア観光客向けに作られたそうですが、、
日本人観光客の目当てはフランダースの犬という事がほとんどの為、聖母大聖堂では日本語訳の説明も用意されています。

アントワープに行く前に是非今一度この名作を見て、観光をより素晴らしいものにしてください♡

関連記事:ベルギーに来たら絶対に行きたい!アントワープ主要観光名所まとめ

 


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